〜50代から始める、心にやさしい時間の過ごし方〜
ふと気づけば、今日もまた「何かに追われているような気持ち」で一日が終わっていませんか?
50代という今、人生の折り返しを過ぎた私たちは、
“時間”をどう過ごすかに、これまで以上に敏感になってきます。
そして同時に、「もっと丁寧に、心地よく生きたい」と願うようになるのです。
そんな私たちにとって、「今ここ」に意識を向けるという習慣は、
心と体をやさしく整える最良のセルフケアとなります。
今日は、心理学と脳科学の視点も交えながら、
“マインドフルな毎日”を過ごすためのヒントをお届けします。
Contents
◆ 「マインドフルネス」とは何か?
「マインドフルネス」という言葉を耳にしたことはありますか?
これは、“今、この瞬間に意識を向ける”という心のあり方を意味します。
雑念や過去の後悔、未来への不安にとらわれることなく、
いま感じていること・見えているもの・聞こえる音にただ注意を向けるというシンプルなもの。
心理学の研究では、マインドフルネスの実践は、
- ストレスの軽減
- 不安や抑うつの予防
- 集中力の向上
- 自己肯定感の回復
など、心の健康にさまざまな良い効果をもたらすことが明らかになっています。
◆ 脳が喜ぶ「今ここ」のチカラ
脳科学的にも、“今”に意識を向けることは、非常に意味のある行動です。
私たちの脳は、1日のうちなんと47%もの時間を「過去」や「未来」のことに使っているという研究があります。
その状態が長く続くと、脳は緊張モード(交感神経優位)となり、
慢性的な疲労感やイライラ、不眠の原因にもなりやすくなります。
反対に、“今この瞬間”に意識を戻すことで、
脳内ではセロトニンやオキシトシンといった「安心・幸福ホルモン」が増え、
副交感神経が優位になるため、心身が深くリラックスするのです。
◆ 50代からの「マインドフルな暮らし」3つの習慣
それでは、50代の私たちが、毎日をより豊かに、よりやさしく過ごすための
**「マインドフルな習慣」**を3つご紹介します。
1.朝、呼吸に耳をすます時間をつくる
目覚めた瞬間から、スマートフォンや時計に手が伸びていませんか?
朝、たった3分でもいいのです。
ベッドの上で目を閉じ、吸う・吐くという呼吸の感覚に意識を向けてみましょう。
この“呼吸の観察”は、マインドフルネスの基本。
意識が逸れてもかまいません。気づいたら、また呼吸に戻る。
その繰り返しが、心を柔らかく整えてくれます。
「わたしは、いまここにいる。」
そう心の中でつぶやいてみてください。
それだけで、不思議なくらい心が落ち着いてくるはずです。
2.「ながら」をやめて、ひとつのことに集中する
食事をしながらスマホを見たり、家事をしながら頭の中で予定を考えたり。
私たちはいつのまにか、“マルチタスク”に慣れすぎてしまっています。
でも実は、脳は一度に複数のことを処理するのがとても苦手。
結果として、思考が散らかりやすくなり、疲労が蓄積しやすくなります。
今日から、ひとつのことに丁寧に取り組む時間をつくってみましょう。
・食事の味をじっくり感じる
・掃除の音や動作に集中してみる
・コーヒーを飲む香りを味わう
それは、ささやかだけれど確かな「今ここ」の感覚です。
3.夜は、心を空っぽにするひとときを
夜、布団に入る前に、心をそっと整える時間をつくりましょう。
・静かな音楽を流して
・今日の良かったことを3つ思い出す
・深い呼吸を3回くり返す
この「心を静める夜の儀式」が、
あなたの1日を優しく終わらせてくれます。
そして、翌朝の目覚めも、きっとやわらかく穏やかなものになるはずです。
◆ 「今」を味わうことが、未来のわたしを癒してくれる
年齢を重ねることは、決して「何かを失うこと」ではありません。
むしろ、過去に縛られず、未来を焦らず、
“今を丁寧に生きることの価値”を知っている世代だからこそ、
マインドフルな毎日は、より深い癒しと気づきをもたらしてくれるのです。
「今ここ」に意識を向けるということは、
過去の私を許し、未来の私を信じること。
そして、今の私を、そっと抱きしめること。
今日のやさしいひとこと
「今日という日は、もう二度と戻らない、
でも、いまこの瞬間は、いつでも味わえる。」
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